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出会い (47)

アイラと初めて出会ってから
もうすぐ2年になろうとしている。

昨年の寒い季節の頃は
アイラを気に入ってはいたが
自分の心に決意のようなものはなかった。
キャバ嬢を好きになって良いのか
決めかねていたからだ。

だからバイトに来ていなくても
残念ではあったが今ほどの思いはない。

実際、昨年の寒い季節はどうだったのか
あまり記憶がない。
試験か何かで休んでいるのか・・・
ただ単にそう思っていただけで
心配も不安もなかった。

だが、今年は好きになっても後悔しないと決めた
アイラとの出会いは「神が与えてくれたもの」であり
運命的な出会いのように思っている。

私は己の病気が再度悪化することを恐れている
アイラは難病のせいなのか最近は頻繁に休む。

自身のことも心配だが
若いアイラのことはもっと心配だ。

返信もなく連絡が付かなくて少しイライラする。

2年近く経過しているから
信頼関係はある程度出来上がっているし
互いの性格も結構理解している。

なのに何の音沙汰もない。
また黙って帰省でもしてしまったのか・・・
連絡もないのに心配しても仕方がないから
待っているしかない。

好きになった分だけ待つのも辛い。
自身で決めたことだ。

かなり待ちくたびれた頃に
アイラからメールが来た。

「ゴメンね、具合悪くてずっと家で休んでいたよ」
「だから言ったろ、試験の前からバイトは休めって」
「で、今は大丈夫なのか?」
「うん」
「じゃあ元気付けに焼き肉でも食べに行くか?」
「本当!?」
「ああ、元気になってもらわないと困るから」

そう、アイラの元気な姿は私を元気にしてくれる。

久しぶりにアイラに会える
一緒に焼き肉を食べて互いに元気になると良いな。

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出会い(46)

アイラは寒い季節だが頑張っている
私の何倍も頑張っている
どこからそんな「元気」が沸いてくるのだろう?

私など毎日決まった時間に起き
そして仕事に行き
残業も殆どせずに帰宅している毎日
無理は出来ない躰だから仕方がない。

昔と比べてずいぶんと楽しみは減った
病気のおかげで遠くには行けないし
好きな海外旅行にも行けない。

今はアイラと会って話すのが楽しみ。

週末はアイラの店に行く
元気なアイラを見ていると私も元気になる。
「アイラ、もうすぐテストが始まるよね
 バイトは休むんだろ?」
「ずっと休んでいたから
 毎日ではないけれどバイトするよ」
「試験は大丈夫なのか?」
「大丈夫、任せて!」

そんな元気なアイラは好きだが
また体調を崩したりしないか心配だ
だが、本人が頑張ると言っている以上
見守るしかない。

楽しく色々と話をして1週間分の
パワーが出来上がった。

試験は始まっているだろうから
食事をしたりする時間はない。

週末になりアイラの店に行く
私が店に行く日はほぼ決まっている
アイラはそれを知っているからバイトしている。

「試験始まっているよね
 上手くいっているかな?」
「科目は多いから大変だよ
「あとね、先日バイト休むって言ったら
 罰金だって言うんだよ!!」
「私が試験中だって分かっているのに・・・」

アイラはものすごく怒っていた。
だから最初からバイトは休めば良かったのに
罰金まで取られて、体調がまた悪くなったらどうするんだよ!

そして、心配していたとおり
アイラは試験が終わったらバイトは休んでいて
またもメールの返信すら無い状況になった。

医学生なのに
自分の体調管理が出来なくてどうするんだ
 ったく・・・。

アイラにまた会えなくなって
私の「元気」も減るばかりだ。

出会った頃は元気いっぱいのアイラ
そして、病気持ちの私を元気付けてくれた。

だが、今のアイラは一体どうなってしまっているのだろう?

暖かい季節まで駄目なのだろうか?
己の奥深いところは一切話さないアイラ

これから2人はどうなっていくのだろう・・・。

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出会い (45)

アイラは戻ってきた。
元気さは変わらないように感じる。

アイラを好きだが
将来のことは何も考えていない。

アイラは医学生で
私はオヤジでサラリーマン
年の差も結構離れている。
どう考えても、このまま良い方に進むとは思えない。

ドリフの「加藤茶」のようにはならないだろう。

夢を見すぎても良くないから考えない。

アイラがそばにいてくれれば良い
時々会って話が出来れば良い
私はそのように思っている。

アイラは戻ってきたが
暫くすれば試験が始まるはず
また、バイトは休むことになるだろう。

寒さに負けず
体調を崩さずにいてほしい。
近頃のアイラは体調を崩すから心配だ。

死んでいてもおかしくなかった私が
何とか職場復帰し
アイラに出会ったおかげで
精神的には元気を取り戻した。
だが、今はアイラの躰ことが不安に感じる。

アイラの元気さは
アイラの病気と裏腹のように思えてしまう。

私自身も再度病気が悪化したら
かなりヤバイ状況になるだろう。

病気が取り持った「縁」かもしれないが
私には運命的な出会いにも感じられる。

少し先にある「年度末試験」を無事に乗り越えてほしい。

そんな私の思いとは関係なく
アイラは無茶なことをするのだった。

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出会い (44)

アイラとは私の誕生日を含め
クリスマス、年末年始と会っていない。

全てはアイラに対して寒さが影響しているのだろうか?
寒さが体調を崩しているのか・・・
実際のことは分からない。

会えないということはずいぶんと寂しい
私にとってアイラは私自身の
「元気の素」
私も重大な病気を抱えているが
アイラのおかげで心は元気になれた
そのアイラと会えないと元気がなくなってくる。

明日はアイラからの連絡の通り
一緒に店に行く約束だ。

年末の忙しいときからずっと休んでいたから
一人店に入るのが恥ずかしいのかな?
いや、そんなことはないはず
聡明で自信家のアイラだから違う理由だろう
理由は他にあるはずだが
アイラだから言わないのは分かっている。

約束の日になった
以前と同じ場所で待ち合わせる。

ほんの少し遅れてアイラはやってきた
寒がりなのに意外と薄着のように見える。

助手席のドアを開けてアイラは隣に座る
するとアイラは私の心配をよそに
「あけましておめでとう!」
と元気いっぱいに言う
「あっ、おめでとう
 今年もよろしくね
 寒いからヒーターを効かせるよ」

車の暖房設定を上げてゆっくりと走り出す。

「さて、何処で食事しようか?」
「何処でも良いよ
 でも、お魚は駄目だからね」
「じゃあ、久しぶりにカレーでも食べに行こうか?」

以前一緒に行って喜んでくれたカレー屋さんに入った。

「この前とは違うものを頼みなよ」
と言って互いに前回とは違うカレーを注文した。

ほどなくカレーが運ばれてくる
やはりここのカレーは美味しい
だが私の注文したものは失敗で辛すぎだ
「これ・・・辛すぎだ」
と言うとアイラはスプーンで
私のカレーをすくって食べる
「うん、ちょっとだけ辛過ぎかな?」

結局以前と全く変わらない
楽しい時間が過ぎていく。

新年最初の食事だ
雰囲気も壊したくないから
「理由」などは一切聞かずに時間が過ぎた。

食事を終えて店に入ってからも
以前と全く変わらないアイラの「元気」

一体、年末年始具合の良くなかったアイラは
何処にいったのだろう?
益々アイラのことが分からなくなってしまった。

だが、アイラに会えることは
私にとって大きな喜びだ。
理由はそのうちに分かるだろう
今は楽しく話が出来るのだから
野暮な質問は止めて時間を大切にしてゆく。
アイラを好きになったのだから
大事にしてゆきたい。

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出会い (43)

アイラの持病・・・
難病指定されている。

寒くなると具合が良くないようだ。

私にはそれだけではないように感じられた。
だが、確かめる術はない。

だから、そっとしておく。

正月になってもアイラは実家だから
楽しみもない。

お酒も飲まないから
デパートを覗きに行った
正月だからか行列が出来ている
どうやら抽選会があるようだ。
暇なので一緒に並ぶ
そしてアイラに「今並んでいるよ」とメールを送る。

返事はすぐに返ってこなかったが
暫くして「私は並んでないよ」と返事がきた。
とうに抽選会は終わって自宅に戻ってからだから
一体アイラは何をして何を考えているのかと不思議に思える。

以降、正月三箇日メール等は一切来なかった。

あれほどに元気で賢いアイラなのに
今は何を考えているのか分からない。

元気に戻ってくるのだろうか?

色んな覚悟でアイラを好きになった
何があっても後悔しないと決めていた。
でも、そのことをアイラは知らない。

私は想いをアイラに伝えていない。

新年も1週間が経過し
私はすでに仕事に行っている。

アイラの大学はもうすぐ始まるというのに
まだ戻ってきていない。
どうする気なのだろう?

そんな心配をしていると
アイラからメールが来た。

「明日戻るけれど
 お店には一緒に行ってくれる?」

アイラの気持ちはよく分からないが
快く承諾した。

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出会い (42)

12月は好きではない。

理由は誕生日とクリスマスが近いから。

いつも一緒にされてしまう。

そんな12月になった。

アイラはバイトだが
クリスマスチケットを買って!と言わない。
大体女性達はノルマを与えられているはず

「クリスマスどうしようか?」
「とりあえず来てみて・・・
 チケットを売れとうるさいんだ
 売り切らないと罰金だって」

酒を飲まない私は買う気など無い
でも、何故一枚買ってほしいと言わないのか不思議でもある。

「クリスマスの前には私の誕生日なんだ」
「そうだったね、バイト休めないから
 お店に来て」

何だか今年の12月は嫌な予感がしてきた。

誕生日の日はもうすぐだ
アイラはどうする気なのか少し不安もある。

前日になってメールを送る
「明日行くからね・・・」
最近のアイラは具合が良いはずなのに返事がない。
年末だし大学も休みのはず
どうしたのだろう?

私の誕生日が無くなると言うことは
クリスマスも無いことになる。

誕生日当日になり
黙って店に行った。
不安は的中でアイラはいなかった。
全くつまらない夜になってしまった。

1時間喋って帰宅した。

部屋に入って着替えをしているとメールが入った。
アイラからだ
「ゴメンね、誕生日おめでとう」
「何処で何をしているの?」
「今は温泉に来ている」

後ほど分かったのだが
アイラは抱えている難病のせいなのか
寒い季節が全く駄目で
精神的にも相当にへこんでしまうようだ。

アイラの難病が軽くならない限り
誕生日もクリスマスも
そして正月も無理ってことになる。

クリスマスも終わり大晦日になった。
アイラからはメールも来ない。

夜が明けて正月を迎える
アイラには新年のメールを送った
すぐに返事は来なかったが
数時間してメールが入る。

「あけましておめでとうございます
 今年も良い年でありますように
 昨年はゴメンね
 今は実家でリラックスしてます」
「正月が終わったら、いつ戻るの?」
「12日から大学があるから
 それまでには戻るよ」

寒い季節になって
アイラのことが分からなくなってきてしまった。
アイラをそのようにしているのは
難病だからなのか・・・
それだけではないような気もする。

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出会い (41)

病気になってから
趣味は殆ど止めてる
唯一継続しているのは映画鑑賞。

以前アイラを映画館に誘ったとき
アイラは忙しいからと断ってきた経緯がある。

店内で作った映画のバックアップをアイラに渡した
盤面には画像やタイトルが印刷してある。

「なに?」と言ってDVDを見る
すると
「あっ!これ観たかったんだよ
 くれるの? 嬉しい」

意外な喜びようだ

結構お洒落で
ブランドもののバッグなども持っている
そんなアイラがこんなもので喜んでくれるとは。

映画でも観て
アイラの「元気」が継続されれば
私にとってもありがたい。

突然に逃避したりするアイラだ
私はアイラから元気をもらっている
私にとって、アイラはいなくてはならない存在。

いつものように楽しくアイラと会話する。

月日は進み
暫くすると
12月になる。
私の誕生日とクリスマスがある。

店ではクリスマスイベントなどするのだろうな・・・
出来ることならアイラと2人きりで
クリスマスを過ごしたい。

「アイラ、もうすぐ12月だね
 年末は実家に帰るの?」
「たぶん帰るのは末になると思う」
「じゃあクリスマス一緒に出来るね?」
「あたしはここでバイトしているから
 来てくれる?」
「いいよ、でもその前に私の誕生日があるんだけど」
「誕生日なんだ! 祝ってあげるね」

と、返事をもらったが
まだ少し先のことだ
どうなるかな・・・

・・・次回 またもアイラの逃避・・・

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出会い (40)

アイラは1人アパートにいるときは
ボーとしていると言う。

すごく元気なアイラの反面なのか?

でも、見せてもらった子犬の写真
写っているのはにこやかなアイラと
可愛らしい子犬が2匹。

ボーとしているようには見えない。

毎日大学やバイトにと頑張っている
頑張りすぎて家ではボーとしているのかな?

アイラの内面がよく分からない。
聞いても答えてくれないだろう。
気の強い女性だから
そのような質問には答えようとしない。

きっといつか話してくれるだろうから
聞くのは止めることにした。

アイラといるときは楽しいのだから
時間を大事にしたい。
今という時は2度と無い。

ここまで落ち込み生きる元気さえなくしていた
そんな私を元気づけてくれた。

だが、私がアイラにしてあげられることは
殆ど無いのも事実。

趣味でやっていたテニスなどもお休み中
継続しているのは「映画」くらいだ。

そうだ、家でボーとしているアイラに
映画のDVDを作ってあげよう。
これなら肉体的負担はないし・・・。

思ったらすぐに実行
部屋でせっせとパソコンをいじり
映画のバックアップを作る。
でも、こんなもので喜んでくれるかな?

週末に作ったDVDを鞄に入れて店に行く。
作ったものは私が感動した映画だ
盤面にはタイトル等の写真も印刷してある。

店内ではアイラと楽しく話をし
「こんなものいるかな?」
そう言って作った映画を差し出す。

帰ってきた反応は意外なものだった。

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出会い (39)

アイラと出会った当初の考えとは違ってきた。

まさか、こんな思いになるなんて・・・

キスまでしてしまって・・
これからどうしようw

良い年をして悩んでしまう

こんな関係にならなければ
さほど悩まないのだが
不思議なものだ。

アイラの店に行っても
今までと何も変わらないようにする

それよりも、もっとアイラのことを知りたくなった。

だが、アイラも変わり者だし
結構口は堅いから
なかなか言わないことも想像できる。

今までの会話や
これからの会話の中から見つけ出すことにする。

無理矢理聞いても絶対に喋らないアイラだ。

店内での2人は相変わらずで
楽しく話をする。

アイラは結構大きな花火大会に
人混みの中、根性を出して見に行ったようだ。
2人で行きたいと思っていたが
平日だったから無理
アイラからの感想を聞いた。

日本人の殆どが好きなように
私も花火は大好きだ。
いつかは二人して見に行きたい。

私は病気持ちなので遠出は出来ない
だからアイラとの思いで作りも難しい。

でも、気持ちも新たにアイラを誘ってみる
「一緒に何処かに行かない?」
「う~ん、時間が取れたらね」
「どんなところが好きなの?」
「海も好きだけれど温泉も好き!」

若いのに温泉とは・・・

互いの環境はだいぶ違うから
時間を作るのは結構難しい。
私はサラリーマンで
アイラは学生だがバイトで忙しい。

「アイラはバイトとか色々頑張っているけれど
 アパートではどうしているの?」
「あたし・・・1人になるとボーとしているの」

快活なアイラにしては意外な返答だった。
だが、そんな返答の理由も後に知ることとなる。


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出会い (38)

アイラと出会い
1年以上が経過して

初めてキスをしてしまった。

当初から女性の躰が目的ではなかった
己の病気を一時だけでも忘れるためと
ストレスから解放されたかっただけだ。

若くもなく病気持ちだし
「恋」とかそんなものは
ずいぶん前から諦めていたし忘れていた
また、そうならないようにもしていた。

病気が悪化して死ぬのなら
それも仕方がないことと思っていた。

アイラ自身も病気持ちだが
アイラの「元気」のおかげで
私も気持ちだけは元気になり
そして、アイラを好きになってしまった。


浴衣でノーブラのアイラは柔らかく感じ
軽くキスしても拒むようなことはなかった。

久しぶりに感じる己の鼓動

すぐにアイラを離し
黙ってアイラに背を向け
階段を下りる

背中にアイラの元気な声が響く
「気をつけて帰ってね!」

完全にこの時、病気のことは忘れていた。

自宅に向かう車中
「これからどうなるのだろう?
 どうすれば良いのだろう?」

ハッピーな気分ではあったが
心の隅では不安も芽生え始めていた。

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出会い (37)

月日がこれだけの長期間経過すると
アイラともある程度の信頼関係ができる。
だからなのかアイラも色々と話してくれるようになった。

店内での出来事もそうだ。
他の女性達のことやスタッフのこと
そしてある程度の客のこと。

全ては「信頼関係」があってのことだ。

夏の季節になった
店では「浴衣祭り」とかで
女性全員浴衣姿

浴衣は好きだがこのような店での浴衣は似合わない
浴衣と化粧がアンマッチだ。
アイラも浴衣で現れた
細身のアイラに浴衣はあまり似合っていない
いつものドレス姿の方が魅力的に見える。
アイラから「浴衣祭りだから・・・」と言われ
店に入ったがぱっとしない感じだ。

花火でも観ながらの浴衣なら良いのに・・・

アイラに「何故浴衣祭りするんだろうね?」と言うと
「殆どの女性がノーブラだよ」と言う
ん!?
「アイラもそうなの?」
「そうだよ」
浴衣の上から触って確認することは出来ないが
思わず浴衣姿の胸元を見てしまったw
花火はないが良しとしよう。

アイラと初めて出会ってから
1年以上が経過している。
信頼関係もある程度出来ている。

店から帰るときアイラが自動ドアの外まで見送ってくれる。

自動ドアが閉まると少しの時間だけ2人きり

この時、思わず浴衣姿のアイラを抱きしめてしまった。

そしてちょっとだけキスした
私の胸にはアイラの柔らかさが感じられた。

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出会い (36)

アイラは強い女性だから
店のスタッフにもものを言う。

スタッフにものを言うのはかまわない
だが、夜の仕事だから少し心配になる
客に対して言ってるのか心配。

色んな客が来るはず。

アイラに聞いてみた
「アイラお客さんに色々言ってないよね?」
「言うわけないじゃん・・・
 でも、暫く前に変な客が来て
 触ろうとするんだよ」

「で、どうしたの?」
「ここはそういう店ではないから
 そんなことをしたいなら他の店に行け
 そう言ってあげたよ」

「あまりきつい言い方は駄目だよ
 何処で何をされるか分からないから・・・」
そう話してあげたが好きになると
夜のバイトは心配になってしまう。

また、アイラの話では
うん十万出すからホテルに行こう
なんて言われたこともあったらしい。

やはり夜の店には色んな客が来る。
一晩で数十万円使う客もいたようだ。

私は元々良き話し相手がほしくて行った店だ
病気持ちで元気もなかったから
アイラと出会って幸運だと感じている。

外で会ってお茶したり、食事をしたり
アイラといるときは全てが楽しい
店の中での会話も相変わらず楽しい。

男勝りのように元気なアイラのおかげで
病気の私は精神的に元気になる。

後に知ることになるが
アイラは私をどうしても元気づけしたかったらしい。
子供の頃から難病と闘ってきたアイラだから
私に対する対応も違っているのだろう。

そのことを知るのはずっと後のお話。

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出会い (35)

大病をして長期休職
そして職場復帰
おかげで復帰しても良いことなど無い。
分かってはいたが結構冷たい扱いを受ける。

ストレスだらけで・・・
飲みもしないのにキャバクラに行った。

たまたまアイラに出会った
内面は分からないがタイプだった
すぐに指名をした。

元気など全くなくて病気であることを告げた
電話番号の交換をしてほしいというから教えた。

2日もするとアイラから電話が来た
私の病気について色々と語る
新手のお誘いかと思ったが違っていた
アイラも病気持ちで医学生だったのだ。

「出会い」って不思議だ
まさかキャバクラでアイラのような女性と出会うなんて。

それからずいぶんと月日は過ぎ
いつの間にか1年以上が経過していた。

当初から楽しく話せる女性がいれば良かっただけ
好きにならなくても、好かれることがなくても良かったのに
いつの間にかアイラを好きになっていった。

キャバ嬢を好きになるなんて思ってもいなかったが
己の心には逆らえない。

週末になってアイラがいる店に行く
どんなに通っても全く飽きてはいないし
飽きるどころかもっとアイラと話がしたかった。

すでに2人は長い期間こうやって話をしている
近頃は店内でのことも話してくれるようになった
善し悪しは別としてアイラにストレスがあったのかもしれない。

先週はドレス盗難事件の話を聞かされた。
今回はそんな話はないだろうと
いつものように楽しく会話をする。

話をしているとスタッフに呼ばれて
「すぐに戻るからね」と席を立つ。

アイラはすぐに戻ってきたが
少々不機嫌だった。
するとアイラはスタッフについて語り始める
「酷いんだよ、私がバイト休むって言ったら
 罰金だって言うだもん
 あたし大学の試験なんだよ!」
と、言って怒っていた。
聞けば結構な金額のようだ
「全くあいつは・・・」と
怒りは収まらない様子。

どうやら以前からそのスタッフとは
口喧嘩のようなことがあったらしい。
アイラは筋の通らない話はすごく嫌いなのだ

アイラの横にいるのは私だから
色々と話すのかも・・・
おかげで私もそのスタッフに対しては
気にしないようにしていたが、見方が違ってきた。

アイラも私に話せば少しは気も晴れるだろう。
強気で自信家のアイラは相手がスタッフでも
結構ものを言うのだった。

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出会い (34)

アイラはバイトにも復帰した
以前と同様なのだが
珍しく店内の不満を言う。

ドレスを盗まれたが
1着安くても2~3万円はするのだろうな・・・?

そんな話もカクテルを飲んで
収まったかに感じた
だが、全く怒りは収まっていなかった。

ドレスを盗んだという女性は
アイラが客を横取りしたと勘違いしているらしい。

アイラは若く聡明で
話のテンポも良く人を惹き付ける
アイラはその客と、ごく普通に話していたらしい。
翌週にその客が来るとアイラを指名した。

アイラは以前から良く言っていた
「テーブルに座ったら誰であろうとも
 一生懸命に仕事をするよ」と。

アイラは横取りする気など無かったと思う
ドレスを盗んだという女性には
「仕事」が出来ていなかっただけ
私にはそう思える
実際アイラ以外の女性が隣に座っても
全く楽しくないのだからww

銀座のクラブのように
良い客をつかまなければ
店に対する「ツケ」は女性の責任になる
だから賢い女性でなければ務まらない。

どんなに化粧が上手く
綺麗なドレスを着て
少しくらい美しくスタイルが良くても
会話が退屈なら客が離れるのは当然
すぐに飽きてしまうから。

私が通い始めたキャバクラで
アイラと出会ったのは幸運だ。

互いに病気持ちだったのも
何かの「縁」かもしれない。
互いに少々変わった性格なのも
「縁」なのかな?・・・

私はアイラの不満を聞く役目を担った
十分に聞いてあげれば気持ちも楽になる
たっぷり話したアイラは徐々に落ち着く。

これで私も気分良く帰宅できる

だが、翌週も聞き役になるとは
思ってもいなかった・・・

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出会い (33)

アイラは医学生で夜の店はバイトだ
本業ではないから店内のことはあまり話さない。

私も店のウダウダはあまり聞きたくない。

アイラが復帰して暫くすると
アイラは珍しく店内でのことを話し始めた。

客の取り合いか何かかと思ったが
違っていた。

アイラが待機席に座っている女性を見て
「あいつらは全く・・・」と言う
「どうしたんだよ?」
「私のドレスを盗んだ2人だ」
「ドレスを盗んだって・・・」

詳しく聞いていると
アイラがバイトを休んでいる最中に
ロッカーから盗まれたらしい。

「あいつアイラのドレスを着ているのに
 私のだって言うんだよ!」

たまたま同じ柄のドレスだから
間違えているんじゃないの?
と、シラを切られたようだ。
ついでにその仲間の女性もグルで申し合わせしていたようだ。

アイラは結構人気があり
収入もあるから色々とドレスは買い込んであった。

そしてアイラは続けて言う
「私、良く盗まれるんだよね・・・」

賢いアイラではあるが
その方面では上手がいるってこと。
アイラの弱点は難病と今回のようなことなのかもしれない。
店のスタッフもそこまで管理しきれないのだろう。

アイラからこのような話を聞かされるのは
アイラの知らない一面を見るようで興味深い。
元々、アイラはプライベートなことや
今回のバイト先での出来事はあまり話してこなかった。
受け取りようによっては、それだけの
「関係」になれたってことだと思う。

おかげで私はウーロン茶だが
アイラにはカクテルを飲ませてあげたww

やっといつもの会話に戻れた・・・
そう思っていた

だがカクテルを飲んだアイラは
またも不満を言い出した・・・

一体、今夜のアイラはどうしてしまったんだ!?

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出会い (32)

アイラは暫くして戻ってきた
少し前のようにバイトを休んだりしない。

私がどんなに躰のことを心配していたか
全く気にもしていない様子だ。

難病を抱えてはいるが
いつも強いアイラ。

私はそんな「強いアイラ」が好きだ。

私なんて今の病気のせいで
少しでも体調が良くないとすぐに凹む。

だが、アイラは熱を出したり
何かから逃げ回るように逃避しても
戻ってくれば以前のように元気だ。

週末店に行ってアイラに会うと
「よ! 元気?!」と言うようなな具合。
私は「男みたいな言い方するなよ」と言うが
元気なアイラを見ると嬉しくなる。
細身で可愛らしいのに
似つかわしくない言葉遣いにも慣れてしまった。

そんなアイラではあるが
実際にはコスメ集めをしている。
言葉遣いとは裏腹に
結構、若い女性らしいのだ。

私服姿も可愛らしくて
私は結構気に入っている。

大学に行けば周りは殆ど男だから
言葉遣いも男勝りになるのだろうか?。

いずれにしても
元気に復帰してくれて嬉しい。

今の私からアイラの存在をなくしたら
生きた屍のような男になってしまう。

店内ではいつものように話が弾む
アイラと話していると
全く飽きたりしないのが不思議。
一般的には、どんなに好きな食べ物でも
毎日なら飽きてくるが
アイラとの会話は全く飽きないのだ。

楽しく話をしていると
アイラは待機席に座っている女性を見て
何か口の中でブツブツ言っている。
目つきもきつい感じだ。

以前から店内のプライベートなことは
一切話さないアイラ。
だが「どうしたんだよ?」と聞くと
珍しくアイラは話し始めた。

*** 次回 店内でのトラブル? ***

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出会い (31)

アイラは出会った頃から元気だった。

何故病気持ちの私に色々と話してくれるのかも分かった。

どうしてそんなに色んなバイトをするのかも分かった。

以前アイラは良く言っていた
「出来るときにやるんだよ・・・」

一時は薬を飲んでいるにしても
難病を克服していた。
必死で己と戦っていた。

そんな苦労をしてきたから
私の病気に関しても理解があった。

私は幼い頃から良く風邪を引いたり
色んな病気をしていた。
筋力はあっても生命力は弱い。
今の病気は医者も嫌がるほどのハイリスク。
私自身もうんざりしているし
医学が進歩して何とかならないものかと思っている。
まさに爆弾を抱えている状況だ。
アイラが私を元気にしてくれたのは
とても嬉しかった。
だが、アイラに対する気遣いは足りていなかった。

アイラは強気な女性だから
なかなか話してはくれない。
弱いところは人に見せたくないのだろう。

今回のキャンセルや逃避でも
アイラにしてみれば精神的にまいっていて
何処かに行ってしまいたいような気持ちだったのかもしれない。
だが、アイラが話してくれない限り
私の想像だけになってしまう。

いずれにしてもアイラは生きている
あれほどに元気なアイラは
病気持ちなのと正反対の元気さだ。
きっとかなり己に気合いを入れてきたのだと思う。

今はアイラが元気で戻ってくることを願い
読んでいるのかは分からないが
元気付けのメールを毎日送ることにする。


数日してアイラは戻ってきた
だが、度々逃避してしまう。

 次回、復帰したアイラ

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出会い (30)

アイラの体調不良も収まって
以前の生活になった。

出会った時から元気で
性格も結構強い
小柄で細身だが強い女性。

互いに病気持ちだから
互いに意識しているはず。

店外で会うことは結構少ない
時間が合わないから仕方がない。

体調不良で休んでいたからなのか
アイラの客は減っていた。
私にとっては都合がよい
アイラも私と話していると
時間が早く過ぎるから良いようだ。

色んな話をするが
なかなか身内のことは話さないアイラ
だが、時々は話すようになった。
両親以外に妹がいる
実家近くにはお婆ちゃんがいるらしい
ごく普通の家庭。

ある時、アイラが聞いた
「私が医学部でなかったらどうする?」
「学部は気にしていないよ
 違う学部でも全くかまわない」

私はアイラが医師を目指してるから
好きになったわけではない
アイラは元気を私に与えてくれるし
私にないものを持っている
またその逆もあるかもしれない
互いに補完し会えると思っている
私はそんなアイラが好きだ。

どうやら、アイラの実家近くの人が
なにやら色々と言っているらしい。
アイラが世間体を気にするのも珍しい
「生意気」とでも言われているのかなw?

最近アイラとは外で会っていない
「アイラ、来週末食事でもしようか?」
「良いよ、いつもの時間で良い?」
「OK、じゃあいつもの時間にいつもの場所で」
そんな約束をした。

約束があると1週間が短く感じる
週末が楽しみになる。

ところが、週末が近づくとメールが入った
「ゴメン、週末は急に違う県に勉強に行くことになった
 だから食事できなくなったの」
せっかく楽しみにしていたのに残念だ。

1週間が過ぎて週の半ばにメールを送る
「先週出来なかった食事をしよう」
返事は「OK」だった
ところが週末になるとまたもやメールが入り
「また、勉強に行くことになった、ゴメン・・・」
何なんだよ
そんなに急に予定が入るのは変だぞ。

最近はアイラからのメールも少なくなっていて
少し「変だな」そう感じていた。
続けてキャンセルも珍しいし変に感じた。

大体勉強のことだって予定を立ててやっているはず。
急に遠くへ行くなどおかしい。

アイラからの過去のメールを読み直したり
最近話したことなど色々思い出し考える。
色々考えて私なりに出した結論
アイラは自分自身から逃げているのでは?だった。
そう考えると筋が通る。
そして、熱を出し時のことも含め
アイラの持病が関係しているのでは・・・
その様に考えると少し悲しくなった。
以前アイラは言っていた
「私、長生き出来ないって言われているの」
そんな話を思い出した。

そして、メールを送る
「週末、元気にバイト出来るときは連絡して!」
アイラからの返信はあったが短かった
「ありがとう」。
やはり私の予想通りなのか・・・

私の心は暗く重くなっていった。

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出会い (29)

出会いって不思議だ

捜し物と同じ

求めているときにはなくて
何も求めていないときに出会う。

大病を2度経験し
2度目の時には長期休職した
どちらの時も
死んでいてもおかしくないと思った
だから今は3度目の人生

さすがに4度目はないだろうな・・・

人生に嫌気がしていた
職場復帰しても良いことは何もない
躰は病気のままだし無理も出来ない。
毎日がストレス。

気晴らしと話し相手がいればよい
そんな思いで行った店。

そこでアイラと出会った。
アイラも同じように病気持ちだった。
だからなのか
いつも私を元気づけてくれた。

アイラと話すのが楽しみになっていき
徐々に好きになる。

出会った場所は褒められたものではない
だが、私には運命の出会いに感じられた。

もし、アイラと出会っていなければ
ずっと沈み込んだままだっただろう。
そして、もう女性を愛することはないと思っていたのに
愛することのすばらしさをも思い出させてくれた。

アイラに感謝しなければ。

アイラの体調不良が元に戻ると同時に
日々のパターンも以前と同じに戻った。
アイラは進級すると本業が忙しくなる。
あちこちで研修が始まるらしい。
医学部の仕組みがどうなっているのか分からないが
会えればそれで良かった。

いつものように週末は店に行く。
互いにある程度理解し合っていた。
だが、この晩アイラは不機嫌
どうやら店のスタッフと口喧嘩したようだ。

アイラは男勝りの気の強さがある
だから、正面からぶつかっていく。
席で私に色々と話すが
少々無理な点もあった

「アイラ、それは違うんじゃない!?」
と、少し批判的なことを言うと
アイラは少し黙ってから口を開いた。
「家族や同級生を含め
 私にものを言う人は殆どいないよ」
強く聡明なアイラだから
周りの人は皆色々言わないようだった。

近頃は喧嘩ではなくそのような会話もするようになっていた。

次回 アイラの逃避・・・

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出会い (28)

アイラがドタキャンするとは
思ってもいなかった。
「ゆっくり休んで」と言った。

3日ほどしてメールしてみた
返信なし・・・

電話してみた
すぐ留守電になった・・・

全く音沙汰なし。

当然バイトにも行っていない。
1週間の仕事は1ヶ月にも感じられた。
アイラとは全く連絡も取れない。
こんな時、アイラの大きさを改めて感じる。

何の連絡もないから
行動は何も出来ない。

アイラとは以前約束していた
「互いに入院とかあったら
 互いにお見舞いしよう」と。
そんな約束もあったから不安も大きかった。
アイラは難病持ち
すごく元気だったから尚更不安だった。

アイラは少々長い期間バイトを休んでいた
そして、久しぶりにメールが来た
「39度も熱が出て大変だった
 今度バイトに行くけど
 一緒に行ってくれる?」
私は何も考えず
「OK、じゃあ焼き肉食べに行こう」

アイラにとって久しぶりのバイトは恥ずかしかったのかな?

アイラと久しぶりの食事
「さあ、焼き肉食べて元気を付けて!」
アイラは美味しそうに焼き肉を食べる
そんな姿を見ていてふと思った
アイラとは「運命の出会い」なのかも・・・

会えない間ずっと思っていたこと
それはアイラが天国に旅立ってしまう不安だった
だからアイラと久しぶりに会えたとき
運命の出会いなのかもと思えたのだった。

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出会い (27)

アイラとの時間が欲しかった
リーマンと医学生だから
時間を作るも大変
仕方なく「同伴」して時間を作った

まさかカレー屋さんで
あれほど喜んでくれるとは思ってもいなかった。
アイラは初めてカレーを完食したと言っていたが
確かにスパイスも含め日本人好みに美味しく仕上げている。

私は好き嫌いはない
アイラは魚介類が駄目らしい
次回は寿司でもと思ったが無理だと分かった。
逆に私は魚介類が大好きだ。
アイラは肉が好きらしいので
今度は焼き肉かな・・・。

アイラの店で楽しく話をし
来週の予定を聞いた
どうやら同伴の時間は互いに作れそうだ
「じゃあ、焼き肉を食べに行こう」そう言って
来週の約束をした。

ストレスの多い1週間が終わり
アイラと会えると思うと心が軽くなる。

週末になって約束の場所に向かって車を走らせる
走っていると携帯にメールが入った
みるとアイラからだ
何か嫌な予感がしたが内容を見てみる
すると「今日はキャンセルしても良い?
 躰の具合が良くないんだ」
返信するのは止めて電話をした。
「どうしたんだよ?」
「何か体調が変なんだ」
「もうすぐ到着するのに・・・」
「ゴメンね、バイトも休みにするよ」
体調が悪いのなら仕方がない
待ち合わせ場所は目の前なのに
ぽっかりと時間も含めて穴が空いてしまった。

まさにドタキャンだった。

風邪でも引いたのかな?

この時はそう思っていた。

細身で少し小さめ
でも、声は大きく
性格も男のような面もあって
すごく元気なアイラだ。
だが、今回は違っていて
暫く会えなくなるなんて予想もしていなかった。

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出会い (26)

時間はあまりないし
レストランなどの予約はしていなかった。
闇雲に走るわけにもゆかず
ゆっくりと走り出す
遠くには行けないから
次の交差点を曲がった。
「アイラどうしようか
 ラーメンなんて嫌だよね?」
私は結構ラーメン好きだった。
アイラは考えているのか黙っている
アイラが黙っているなんて珍しい
すると
「私が時々行っている場所に行ってみる?」
「それは何処で何があるの?」
「居酒屋みたいに何でもあるよ」
アイラはそこに大学の帰りに時々寄っているようだった。
私は少し気乗りしなかった
少しアイラが言う方向に走っていて
ふと近くにカレー屋さんがあるのを思い出した。
「ねえアイラ、カレー屋さんに行ってみる?」
「近いなら良いよ」
すぐそこだよと言って
50mほど走り車を駐車場に入れる。
以前は時々来ていた店だが久しぶりだ。
アイラと店のドアに近づく
するとアイラは
「何かスパイスの香りがするね」と。
この店はインドの人が経営していて
本格的なカレーが食べられるのだ。
ドアを開け空いているテーブルに座る
外人の店員は日本語も上手くて
「何にしますか?」とメニューを差し出す。
「アイラ色々あるけれどあまり辛くないものが良いよ」
本場の人が作るだけあって
辛みの強いものもある。
アイラは野菜カレーを頼み私はチキンカレーだ
ついでにアイラはナンを注文した。
程なくして注文したものが運ばれてくる
「すごく良い香りがする」とアイラ
「冷えないうちに食べなよ」
私にとっては久しぶりの店
味は以前と全く変わっていないようだ。
少し食べてアイラは言う
「このカレー美味しいよ
 両親が来たらここに連れてくる」
かなり気に入ったようだ
そしてアイラは完食!
「私、カレーを完食したのは初めてだよ
 ナンも美味しかった!!」
やはりカレー本場の人間が作るものは
誰でも美味しく感じるのだろう
おかげでアイラとの会話も弾み
元気なアイラは益々元気になった

アイラと十分な会話をするための「同伴」
どこと言って場所も決めていなかったが
まさかカレー屋さんを
ここまで気に入ってくれるとは思ってもいなかった。

楽しい食事を終え、2人でアイラの店に入った
店内では終始御機嫌なアイラだった。

次回、アイラのドタキャン・・・

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出会い (25)

アイラも私も少々変わり者だが
いつもそんな話をしているわけではない
せいぜい2回ほどそんな会話をしただけ。

いつも中身の濃い話をしているわけでもないが
アイラとの会話は理屈抜きで楽しい。
アイラも同様な感覚を抱いていることは感じとっている。

アイラは大学が休みになっても忙しい
どうやら塾の講師の場合
一年間のスケジュールは決まっているようで
自由時間そうあるわけではない。
ずいぶん長い時間の経過後
覚悟を決めてアイラに対応しようと決めた。
だが、思うよな時間はなかなか取れない。

仕方なく店に通う
長いこと店に通っても
アイラがいるおかげで全く飽きたりはしない。
アイラがいなければ
とうの昔に通うのは止めていただろう。

私は己の躰のこともあって長居はしない
大体1時間で帰る
そうなるとアイラがずっと隣にいるわけでもないから
話をするにしても十分な時間はない。

週に一度の会話も30分ほどでは物足りない
同伴嫌いの私だが
すでにアイラと一度はしているし
話す時間が欲しくて
「来週同伴する?」と聞いた
アイラは
「塾があるから遅くなるけれど良い?」との返事。
夕食を食べながら話すには十分な時間だ
「OKじゃあその時間に会おう」
アイラとの時間を作るための同伴
普通なら完全に「カモ客」だ。
だが、後悔しないと自分で決めたこと
時間を買うだけだと割り切っている。
とにかく来週の楽しみが出来た。
おかげで辛い1週間の仕事もやる気が出る。

病気のせいで辛い1週間もやっと終わった。
アイラと夕食の約束だ。
だが、何処に行こうか何も決めていなかった。
東京のような大都会でもないし車社会だ
時間も限られているから遠くは無理
アイラは助手席に座るが
私はまだ何処に行くのか決めかねていた。
「アイラ、何処に行こうか?」
「決めてないの?!」
「決めてない、近いところで良い場所思いつかなくて」
とにかくアイラを乗せて、ゆっくりだが走り出す。
 
さて、夕食・・・何処に行こうかな・・・

 次回、アイラとカレーライス (^^;)

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出会い 24)

アイラも私も少々変わり者
アイラの性格は強く男勝り
私は食べ物の好き嫌いはないが
異性に対する好き嫌いはかなり激しい。

アイラは小さな犬を飼っているが
写真で見る犬は可愛らしい。
だが、その写真を見ながら
「男いらないな・・・」の言葉には少し驚く
その気持ちは少しくらいは分かる気がするが
何も私の前で言わなくてもと思う。

私も家にいるネコは好きだ
帰宅すると車のところまで迎えに来たりして
ネコではとても珍しいと思うし可愛いのだ。

動物が好きな人には良い人が多い気がする
アイラも子犬を2匹も飼っているのだから
きっと本質は優しい女性なのだろう
「こんど犬を見せてあげる」と言うが
どうやって見せてくれるのだろう?

アイラは本業以外にバイトを沢山やっている
お金のを貯めるのが目的だが
「家の子供達(子犬)には金がかかるよ」と言う。
良く聞けば片方の犬はあまり元気がなく
動物病院に連れて行くからのようだ
私たちのように保険があるわけではないから
そこそこの金額になるのだろう。

子犬ならともかく
アイラも病気持ちなのだから
バイトもほどほどにしてもらいたい。
もう暫くすれば大学は休みに入る
アイラの肉体的負担は少なくなるから
もっと躰をいたわってほしい。
そう思っていたが
実際大学が休みになると
塾の講師予定でびっしり
受験生には夏休みなど関係なく勉強するから
塾は忙しくアイラも忙しい。

私は病気持ちだから
体調には注意している。
アイラは持病があっても頑張っている
とても元気なアイラは私をも元気にしてくれる
そんなアイラは好きだが不安もあった
難病にしては元気すぎるのだ。

そんな私の不安は現実のものとなっていった。


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出会い (23)

私は「変わり者」だと思っている

アイラと話をしていて
「私は変わった男だから」と言えば
「私の方がもっと変わっているよ」とアイラ

う~む
互いに変人で病気持ちなのか・・・

医学部の学生は大半が男だ
その中で勉強しているからなのか
「私は男みたいだって言われるよ」

確かにアイラは男みたいに強い女性かもしれないし
言葉使いも多少男みたいにも聞こえるときがある
容姿は結構お洒落で可愛らしいと思う

あるとき試しに聞いてみた
「アイラ手作りの料理が食べたいな」と
すると
「私、料理できるよ
 プリンとかケーキ作れる」
そんな会話を向かい側で聞いていた女性が
アイラが席を立ったとき
「プリンでご飯は食べられないじゃん」とボソッと言った
やはりアイラは変わり者なのかもw

期待はしていなかったが
「プリン」くらいは作れることが分かった
でも、質問の意図は理解していないようだ。
学生で一人暮らしだから
料理など殆どしないのだろう。

あと、アイラの趣味と言うか
好きな動物も分かった。
どうやら小さい犬を飼っているようだ
携帯に保存していた犬の写真を見せて
「可愛いでしょ!
 でも世話が大変なんだ」
その後の一言にちょっと驚いた
犬の写真を見ながら
「男いらないな」と・・・
益々変わり者のアイラだった。

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出会い (22)

全くいつも「突然」好きのアイラ
事前に海外に行こうか考えてるとか言ってほしい
突然だから心の準備が出来ていない。
アイラが暫くしないとなると
ストレスの発散が難しくなる。

週が変わり
そして週末が近づく
アイラからは
「私がいないとき店には行かないで!」と言われていた。
週末になるとどうしようかと考える。

考えたって何も思いつくはずもない
病気になって職場復帰してから
行ったことのある場所はアイラがいる店だけだった。

アイラは「恋人」と言える関係になっていない
私がアイラに好意を抱いていることはアイラも知っているが
アイラの気持ちはどうなのか良く分かっていない。
店に行かないでと言うが
アイラは店でのプライドがあるからそう言うのだろう。
これほど長い期間ずっとアイラを指名しているのだから
少しは信用しているはずだし
店の子達は皆知っている。

そのように思っていつものように店に行った
当然アイラはいるはずもなく
フリーで席に座る。

アイラのことをよく知らない女性は
「彼女いないね、どうしたのかな?」
と言うが私は「さあ・・・」と返事を濁す。
代わる代わる違う子がやってくるが
アイラの代役が務まる子は一人もいない。
会話も全くつまらない
結果、ストレスはちっとも減らなかった
無駄な時間を過ごして帰宅する。

翌週になりアイラが帰国する日になった。
仕事をしているとメールが入る
アイラからだった
「帰ってきたよ」との文字と夕焼けの写真も一緒だ。
夕焼けなどどうでもよくアイラの写真の方が良い
「アイラの写真は?」と返すと
女友達と一緒の写真を送ってきた。
本当にハワイのようだった。

そんな写真を送ってもらったりして
次の週末になった。
土産話が聞けると思い店に行く
当然今週アイラはいる
席に座ってアイラを待つ
アイラが私の席にやってきた
顔を見ると日に焼けているわけではないが
何か様子がおかしい
「どうしたんだ?」と言うと
「貴男、先週店に来たんだって!?」
アイラの視線が初めて怖くなった。
「店に来たけれど誰も指名していないし
 特別なことは何もなかったよ」
そう返事したが
アイラの怒りはワンセットの半分以上の時間に及んだ。

だいたい、浮気のようなマネをするなら
この店に来ないし、逆にその方が安心だろう
そう思っていたのだが何故そんなに怒るのか不思議でもあった。
アイラの心は今ひとつよく分からないのだった。

ともかくアイラの御機嫌取りを一生懸命して
海外での話題に切り替えることが出来た。
帰る頃には以前と同じように話が弾み
楽しい時間を過ごせた。

私はアイラを好きだが
アイラの心はハッキリ分かっていない
本当に女心は難しいと改めて思った。
 

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出会い (21)

アイラを好きになろうと決めたら
何故が気持ちが楽になった。

同伴なんてちっとも好きではないが
アイラとの時間を作るために同伴にした。

細身のアイラなのによく食べる
食物はどこに入るのだろうと思うくらい食べるw
そして、デザートまで食べる・・・(^^;)
体重なんて40kそこそこだろう
まあ、頑張って色々やっているから食べるのかな。

食事しながらの会話は楽しい
人間、美味しいものを食べると幸せな気分になれる
食事が終わったら好きなコーヒーを注文
アイラもジュースを頼んだ
2人で食後の飲み物を飲んで
色々と話をする
するとアイラは突然に言い出した
「私来週ハワイに行く」
何なんだ、予告もなく海外に行くなんて
いつでも事前の話などなく「突然」だ。
「何だよ、急にハワイだなんて」
「大学の研修で行くの」
何で医学部なのにハワイなのかさっぱり分からない
「いつ帰ってくるんだ?」
「10日間行ってくるから
バイトはその週末になるね」
「じゃあ、2週間も会えないじゃないか」

何故ハワイなのかハッキリと聞きもしなかった
後に研修目的ばかりではなく
アイラの病気のことも関係していたことを知ることになる。

いずれにしてもしばらくは会えないし
メールしても見ないだろう
また、時差の関係から電話も厳しい。

私はアイラを好きになると決めたが
アイラの躰が目的ではない
アイラがいると沈んでいた私自身が生き生きとしてくる
そして集中力も不思議と高まり元気にもなる。
アイラといるとその様になれるから
私はアイラが必要だった。

食事を終えて一緒に店に行く
店内では結構魅力的なドレス姿だ。
いつもと同じ元気なアイラ
ワンセットの時間が過ぎて
私は自宅に向かう
来週アイラはいないのだな
そう思うとやはり寂しく感じ
アクセルを踏む足は重かった。

次回アイラの怒り

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出会い (20)

アイラと出会ってから
すでに1年半以上が過ぎた
まさかキャバ嬢に対してこんな気持ちになるとは想像もしていなかった
でもキャバ嬢だが医学生だ
いずれ、アイラの本業が忙しくなれば
バイトなどもあまりしていられなくなるだろう。
だいたいアイラはバイトのやり過ぎだ
家庭教師に塾の講師そして夜のバイト
病気持ちで細身なのによく続くものだと感心する
若さだけでは続かない内容
これだけバイトをすれば結構な収入になる
もしかしたら私より高収入?ww

アイラとお茶しているとき
「アイラは結構稼いでいるね?」
「うん、学費とかあるから」
と返事するが
「卒業して職に就いたら今より減るかもしれないぞ」
と言うと
「だから今頑張れるだけ頑張って貯めておく」
「まあ、貯めるのは良いが身体をこわさないようにね」
そんな会話をしていた。

だが、私の予想通りの展開がアイラを待っていたのだが
この頃、そうなることはアイラ自信も想定していなかった。

キャバクラには「同伴」などと言うシステムがある
でも、私は同伴など嫌だった
私には何のメリットもないと思ったから
だが、私自身が心に決めたことで
アイラと同伴しようと考え
アイラにメールを送った

「今度一緒に店に行こうか・・・?」
「えっ!本当に?」
「アイラが良ければ」
「嬉しい、じゃああの辺りで待ってるね」
そんなメールのやりとりをして
約束の時間を待つ
細身のアイラだからどうしようかと思ったが
パスタの店を予約しておいてそこに行くことにした。
時間になるとアイラがやってきた
当然に私服姿だ
結構可愛らしい着こなしをしている。
「お腹空いているよね?
 レストラン予約したからそこに行こう」
「何処なの?」
「近いところだよ」
そう言ってアイラを助手席に座らせる。
レストランは走っても10分もかからない
「ここだよ」と言って駐車場に車を止める
「ここなの?私1度来てみたかったんだ」
アイラはにこにこしている
一緒にレストランに入り
予約しておいた席に座る
いつもお茶ばかりで食事を一緒にするのは初めてだ
「好きなものを注文しなよ」
高級とは言えないまでも小綺麗なレストラン
アイラと初めての食事
注文したパスタを食べながら楽しく話をする。
そして、またも突然にアイラから
予想もしていない話を聞かされることになった。
アイラはいつも「突然」だった。

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出会い (19)

アイラが与えてくれたもの

今も病気は継続中だ
長期間の休職後に職場復帰
病気のままだから仕事は辛い
ストレスも非常に大きく感じる
「再度この病気で倒れたら死んでも仕方がない・・・」
その様に思いながら生きている
生きているからストレス発散にと行き始めた店
そんな状況の中、アイラに出会った
結構長い間通った
アイラと話していれば嫌なことは忘れていられる
他の女性では無理だ
プライベートでアイラと会った
アイラの状況も知った
神の悪戯なのかアイラも病気持ち
だから、何か惹き付けられるものを感じたのかもしれない
いずれにしても私はアイラを好きになってしまった。

この出会いは神が与えてくれたものなのかもしれない
その様に考えないと私自身が納得出来なかった。

今までは店内においてもアイラをいじめるような発言も
結構多く言ってきた。
可愛さ余って・・・なのかもしれないし
好きになっては駄目だとの思いの裏返しかもしれない。

アイラは出会った当初私の病気を知って
一生懸命に説いていた。
出会った頃の私は非常に「暗い男」に見えただろう
もう女性を好きになることはないと思っていたし
無理だとも考えていた。

アイラはいつも会うときは元気!
こんなに元気な女性は珍しいと感じたほど。
いつだったかメールで「店に行くよ」と伝えたとき
アイラからは「嬉しい、貴男が一緒だと時間が早く過ぎるから」と返信があった。
アイラは私と同じような気持ちでいてくれたのかもしれない。

神が与えた「出会い」
アイラはいつも私を「元気づけ」てくれた
そして、絶対に無理だと思っていた
女性を好きになることを思い出させてくれた。
そのように思うと胸が熱く感じられた。
神は「出会い」を与えてくれ
アイラは
「元気」と「愛」することのすばらしさを与えてくれたのだと思った。

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志郎さん

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